FHAMS

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これは30年前に建てられた温暖地域におけるファミリーリゾートホテルの改修及び、増築のためのホテルコンセプトです。私達はホテルにはその場所だからこそオリジナリティを体験出来る何かがあるべきだと考えます。通常、場所の特異性を考慮したり、その土地の歴史や風土、伝統文化など、様々なコンテクストを抽出し、それらをいかに表現するか、などを考えながらデザインをして行きます。しかしながら、どうしても歴史的あるいは文化的なことなど、特徴を見出しにくい場合もやはりあります。そうした場合にはソフト、ハードとして両方からのエンターテイメント性だったり違った方向性を求められます。例えば近年のアウトドアの流行によるグランピングやインダストリアルなデザインなどといった流行を追うことになり、近年のホテル建設ラッシュの増加によりどこも似たものになり、結果的に競合が増え、価格競争となってしまうことが懸念されます。ここで新たに全く新しい価値を見出していく必要があるのではないかと考えました。 そこで、アウトドアの流行は地球環境に対する関心が高まったこともあることであり、さらに発展するのではと考えます。この流行を推し進めながらも、新たなアイデアとして、ホテルとしての機能をしっかりと確保しながら、さらにもっと人と自然との繋がりを持たせる事は出来ないかと考えました。 ここでは先ず、敷地内に新たに2タイプのコテージをつくります。一つは分譲地のように区分けした敷地があり、その中に平家で小さなベッドルーム小屋と、シャワーとトイレ小屋、露天風呂を別々に配置されています。隣の別室とは緑で覆われて互いに見えないように配置されます。部屋に泊まる、というよりもこの土地に泊まる感覚です。もう一つは新たに設けられる池に張り出すような二階建てのコテージで、テラスを設けてより多人数の宿泊など、より室内を充実させたものです。さらに、もう一つは耐震改修が必要な既存の宿泊棟には、耐震改修のための補強用アウトフレームで建物を覆い、かつそのフレームを利用して各客室のバルコニーを延長することで、多層階ながら外部との繋がりを持つ新しい部屋となります。延長されたバルコニーには植樹させて緑に覆われたファサードを形成させます。また、屋内側にインナーバルコニーとする事でリビングルームが外部化され、ベッドルーム、シャワー、トイレのみが最低限屋内とする客室になります。 さらに外部との繋がりとはただ外の空気と繋がることだけではなく、もっと自然の繋がりを持たせることはないかと考えます。温暖地域ということもあり、植物だけでなく、動物もまたこのホテルの中で自由に闊歩する景色を楽しめないかと考えました。要約すると「動物園ホテル」です。もちろん人間には危害を加えない範囲の動物に限定されますが、自然と動物達とゆったりした時間を過ごすことができるホテルです。ホテルマンは飼育員さんを兼ねています。宿泊者は動物達の世界への客人になるわけです。動物達もサービスマンとして客人をもてなしてくれます。ただ遠出してテントやコテージに泊まるようなものではなく動物園そのものに泊まることの出来る、今までに無い楽しいホテルが出来るのではないかと考えました。

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